

2025.04.17
2023.07.17
多くのコーポレートサイトには、企業理念が掲載されています。内容はそれぞれに異なり、主に企業の価値観や考え方、存在意義が中心となっています。なかにはどんなことをする会社か明記しているところもあり、社員にとって行動指針となるものともいえるでしょう。
そこで、今回は企業理念について詳しく紹介するとともに、経営理念との違いや社員に浸透させる方法を紹介します。これから起業する方や、企業理念作成に悩む経営者の方は、ぜひ参考にしてください。
企業理念は、ひとことで言えばどんな会社なのかを明記したものです。事業を展開するうえでは、目指すものはなにか、がんばる理由といった理念や信念が必要となり、これらを文章化して掲載したものが企業理念です。
これから起業して従業員を雇う際にも行動を促す指針となるほか、従業員の意識を統一し、同じ目標に向かって働いてもらうためにも重要な意味を持ちます。社外に対しては、自社のブランドイメージにもつながるでしょう。
また、企業には法人格がありますが、経営を通じてどんな社会的使命を果たすのかを表明する場ともなります。広い意味でいえば、企業理念は企業として活動するすべてのシーンで判断基準や意思決定の基本となるものです。
企業理念の策定にあたり、欠かせない要素を確認していきます。これから策定する方はもちろん、現状の内容で十分なのか不安な方もぜひ確認してみてください。
自社が果たすべき使命や存在目的となる部分です。理念のなかで最も重要であり、過去から現在、未来にいたるまで、どのようなことを使命として考えていくかを記載します。
策定する際は、自社の志や使命を直感的に読み取れるような言葉を使うとよりわかりやすいでしょう。また、従業員が自社で働く意味、価値観や考え方を共有できる部分でもあるため、行動の軸となる内容を基本として作成します。
将来的に目指す、自社の未来像を示す部分です。ミッションを日々達成すると実現できること、社会にどう貢献できるかも含め、明確な内容にしましょう。そのために必要な成長戦略や時代の変化への対応などにも触れると、従業員も未来像をイメージしやすくなります。
自社が事業を通じて、顧客や社会にどれだけ貢献できるか、強みや存在価値を示す部分です。なかには、従業員と自社の間で共有すべき価値観を含める企業もあります。
また、ミッション・ビジョン・バリューの整合性が取れるよう、ストーリー性を持たせるのがポイントで、従業員の行動指針として成り立つ内容にしましょう。
従業員の行動指針となる部分で、ミッション・ビジョン・バリューを実現するための日々の心がけなどを示す要素です。自社らしさや、自社の一員として重視すべき精神を盛り込むのがおすすめです。
社風を示すことにもなるので、理解しやすい言葉を使うとよいでしょう。また、従業員の立場から見ても理解でき、魅力ある内容にするのもよい方法です。
ミッションやビジョンをわかりやすく示す要素で、顧客にどんな企業なのか伝える際にも使われる部分です。合言葉のようなものと捉えておくとわかりやすいでしょう。
場合によってはキャッチコピーと呼ばれることもあり、インパクトある言葉や言葉の組み合わせを選ぶようにします。なかには自社のロゴを添えて記載する企業もあり、社内・社外・顧客に対し、アピールできるよう記載するのがポイントです。
これら5つの要素をしっかり策定して記載することで、取引先や株主、従業員・顧客からも理解を得やすい企業理念となるでしょう。
企業理念は会社として意思決定や価値観を示すのに対し、経営理念は経営者自身の価値観や経営判断の基準を示すという違いがあります。
企業理念は経営理念を元に策定するものの、経営者が変わっても内容が変更されることはさほどありません。経営環境や顧客のニーズの変化、時代の変化が著しいときは、客観的に見て変更する可能性はありますが、大幅な変更となるケースは多くはないのが実情です。
簡単に言えば、企業理念は社風、経営理念は経営者の思いというイメージです。たとえば、終身雇用制度廃止が進み、成果実力主義を重んじる傾向が顕著になり、企業理念を変更せざるを得ない企業はあったでしょう。
社会情勢の変化を含め、企業が乗り越えることはたくさんあります。経営者と従業員が一丸となって乗り越えるために必要なのが企業としての軸、企業理念なのです。
企業としての核となる企業理念は、策定しただけではなく従業員に浸透させることが重要です。認知や理解はもちろんのこと、日々の仕事のなかでも意識してもらう必要があるからです。ここでは、企業理念を浸透させる重要性について解説していきます。
自社の価値観や意思決定の基準を明確にすることで、さまざまな要素から経営判断に迷ったときに、的確な判断をすることができます。企業理念は、経営における軸となるわけです。
企業理念が浸透していれば、担当者が変わったり経営者が変わったりしたとしても、個人の意見に左右されることなく判断できるでしょう。加えて、客観性も保てます。
経営上のピンチもしくはトラブルが発生した際は、基本の考え方を見つめ直すことができるため、意思決定を間違うことなく事態を収めることにもつながります。
また、企業理念を定めておけば、社会情勢が変化したとしても攻守のバランスを取りながら、柔軟に対応することが可能です。社会の変化に対応しながら従業員の生活を守り、顧客ニーズを捉えて必要箇所を変更するなど、適切な対応ができるでしょう。
従業員の行動をまとめるには、指針となる企業理念が役立ちます。従業員としても自社への魅力を感じ理解したうえで働きますが、具体的な行動や意識は個人差があるものです。そういった部分を企業理念に記載することで、従業員の行動基準を明確にできます。
従業員としても与えられた権限のなかで判断することができるので、判断の遅れによるトラブルやクレームを未然に防ぐことにもつながるでしょう。
また、自社の価値観の統一を図れるため、目標達成のために一丸となって働くことはもちろん、組織力が強化されて自社の成長も期待できます。
テレワークを導入する企業では、従業員が自分で判断する機会も多くなっています。企業理念が定めてあることで判断基準が明確になり、従業員の成長やスキルアップも期待できるでしょう。
企業理念は自社のコーポレートサイトや、会社案内動画などに掲載することで、社外に自社の価値観や事業方針、社会貢献に関する考え方をアピールすることができます。
他社から共感や信用を得られれば、事業拡大や売上アップが期待できるでしょう。また、自社商品やサービスのブランディングにも効果的です。
社外の評価や注目があることを理解すれば、企業理念に沿って責任ある行動を取るようにもなります。企業への帰属度も高まり、結果として、従業員の満足度と生産性の両方を高めることも期待できるでしょう。
ブランディングの種類や事例について、こちらで詳しく解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
参考記事:ブランディングとは?種類や事例などをわかりやすく解説
採用活動時は、自社の企業理念に基づいた採用コンセプトで採用活動をすることで、理念に共感した人材が応募してくれる流れを確立できます。
思っていた企業とは違った、仕事内容が想像と違ったなどというミスマッチ防止につながり、自社を理解している人を従業員として迎えられるようになります。
その結果、入社後の従業員のモチベーションアップや離職率の低下といった、よいサイクルが作りも期待できるでしょう。また、よいサイクルが機能し続けることで、自社の成長にもつながっていきます。
企業理念を策定することは、自社にとっても従業員にとっても重要であるとわかりました。では、どうやって浸透させればよいのでしょうか。
ここでは、単純に内容を読ませるだけではなく、具体的にどんなことをすればよいのか、企業理念を浸透させる方法を考えていきます。
従業員に企業理念を浸透させるためには、認知させることがはじめの1歩になります。従業員がいつでも確認できるよう、認知しやすいツールを導入するのもひとつの方法です。
たとえば、入社時に策定された背景を口頭で説明する、補足的な説明があると、より深い理解や共感が得られるでしょう。常に従業員の目につくところに理念を掲げ、内容によっては朝礼で読み上げることも有効です。
従業員に認知してもらったあとは、理解してもらえるよう働きかけます。たとえば、社員研修で従業員が理念に対してどんな解釈をするか考えてもらうなど、理念に触れる機会を設けることが挙げられます。
個別面談や部署単位でのミーティング、新規事業のキックオフミーティングなどで考える時間を設ければ、新入社員はもちろん勤続年数の長い従業員にも、普段の行動を振り返るよい機会になるでしょう。
また、定期的に企業理念に関するパンフレットを配る、理念に関する研修会を設けるのもよい方法です。近年では、社内で利用可能なアプリなども開発が進んでいるので、アプリからいつでも確認できる体制を整えるのもおすすめです。
従業員の企業理念に対する認知と理解が進んだら、次は共感を得られるよう働きかけてみてください。共感してもらうには何らかの機会が必要となるため、理念に沿った制度を設ける、行動を促すようなイベントを設けることも検討してみましょう。
理念に沿った制度というと堅苦しいイメージがありますが、フレックスタイム制の導入などは代表的な例です。
また、制度に限らず社内イベントに盛り込むことや、自社ならではの特例的なイベントを実施するのもよいでしょう。従業員一人ひとりが、この会社に入社して本当によかったと思えるような機会を増やすことで、さらなる共感を得られるようになります。
社内で従業員にさらなる理念の浸透を促すには、日々の業務のなかで実践してもらうことが必要です。管理職を中心に、理念に基づいた行動を取るよう指示を出していきましょう。
理念に基づいた行動を取った結果、どれほど成果を上げられたか、自社に貢献できたか、社会に貢献できたのかを話し合い、従業員の成功体験の積み上げを整理していきます。
成果を上げられなかった従業員には、業務上の支援や理念の理解を促すサポートをして、成功体験獲得を促していきましょう。成功体験を積み重ねることで、理念を作成した本当の目的を達成することができます。
従業員の視点では、理念に沿った対応を着実に実践できる会社として認められるようになり、自分の仕事に責任を持って取り組むことが期待できます。
また、こうしたサイクルをよりよい形にするためには、人事制度との紐付けもよい方法です。理念に沿って行動した結果、成果を上げた従業員には、昇進や昇給などを検討するのもよいでしょう。
従業員が理念に沿って行動し、成功体験を積み重ねていくステップは、今後も持続していくことが望ましいです。そのため、経営者や管理職も理念に合致した発言・行動を取ることが大切です。
上層部が一貫して理念に沿った対応を繰り返し、従業員もそれに習って行動するようになれば、社内に理念が浸透し習慣化していくでしょう。
また、普段から理念を意識した声がけ、意識付けに関する行動を継続することも大切なプロセスです。よりよい職場環境、理念の実行を実現するには、自社全体で取り組むべきと意識していきましょう。
企業理念を策定するなら、よい内容を目指したいものです。社内・社外に受け入れてもらい、信用を得るには、よい企業理念の策定が不可欠でしょう。
一般に、よい企業理念のボーダーラインがあるわけではありませんが、企業としてのあり方が明確になっている、企業の価値観に合っている、説明がつくストーリー性がある理念は、理解しやすいです。
また、社会との関係性が反映され、従業員が企業の社風や方向性を理解しやすいことも特徴的です。一方的に経営者の思いが反映されてしまうと、従業員も理解や共感に苦しむことになります。
企業理念は、自社の価値観や行動指針を従業員と共有するためのものであり、よりよい職場環境へと導くものだと正しく理解しましょう。
企業理念は、自社の価値観や存在意義を示すことに加え、従業員にとっての判断基準や行動指針となる重要な役割を担うツールです。経営者としても、経営上の迷いが生じた際の判断基準となります。
これから起業する方や企業理念の策定に迷う方、内容の選定に悩む方は、1度落ち着いて自社のミッション、ビジョン、バリューなど一つひとつ考えていきましょう。
また、策定後に従業員に浸透させる際は、理念に対する理解を深めたり、理念に触れる機会を増やしたりと、いくつかのフローが必要です。人事制度と理念につながりを持たせるなど、ときに工夫しながら取り組んでいきましょう。
従業員に理念を理解してもらい、日々の業務のなかで実践してもらうことで、自社の成長と生産性を高めることにもつながります。これから策定する方は、じっくり考えて策定するようにしましょう。
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