
CLIENT:プチバトー
CLIENT:ミルボン
担当領域:PR(web PR、雑誌)、PRイベント、キャスティング、空間プロデュース
目次
とあるブランドのPRを担当していて、そこにお勤めされていた方の旦那さんがミルボンの方でした。その方から経営企画室の方を紹介いただいて、「将来1年半後ぐらいにこういう会社名のついたブランドを立ち上げたいのですが、どうですか?」というコンセプトの相談をされたのが最初です。
そこから何度も情報を重ねて、今までBtoBだったミルボンがBtoBtoCというカスタマーに向けたものへと変化する過程をブランディングするというのがお仕事でした。ミルボンは元々プロフェッショナルな商材で、美容室でしか置かれていないものもあって、今までの考え方はBtoB。それがBtoBtoCで、要はカスタマーの人まで考えて作っていくというのがお仕事となりました。
ミルボンがミルボンという商品を発表するにあたって、一番大事にしていたことがアイデンティティでした。そのアイデンティティとは、日本出身のブランドであるということ、そして今後ミルボンはグローバルに成長していく確信があったということから、グローバルのインバウンドで需要が高いハイアットを選んだという経緯があります。
グローバルミルボンと言われるミルボンの名前がついた商品の魅せ方、空間のプロデュース、プレスの誘致、全体的な演出を全て担いました。まず、今回のミルボンのパッケージがどんなライフスタイルシーンにも合うように作られていたため、ライフスタイル軸でのVMD(ビジュアル・マーチャンダイジング)の提案をしました。それは空間演出としてのステージングにあたって、どこに商品を置くか、ロゴをどこに置くか、照明をどう当てるかという空間的なプロデュースと、商品をみなさんに初めてお見せするので、それをどういう風に発表するかという部分まで考えました。
今回は、各ライフスタイルのテーマを決めて、それをInstagramなどで投稿すると考え、上から撮りやすいように、全てのテーブルで配置を変え、15パターンものVMDを作りました。プロップスタイリストの方や、演出家の方など1人ではなく様々な方が関わり、一緒に作り上げていきました。
また、私が空間を魅せるときに『息をしているもの』と『息をしていないもの』を一緒に置くように心がけています。ただ、商品を置けばいいということではなく、その商品を置いたことによって周りにどのような影響を与えるか、それを見た人がどう感じるかまで考えることが好きなので、今回はそういうことを中心に行いました。ポイントとしては、今回のプロジェクトはかなり新しい試みで、通常ビューティーがやる一部二部三部という構成ではなく、同じ空間に美容室のオーナーや美容師さんがいて、固い新聞系のメディアがいて、ファッション誌がいて、インフルエンサーがいるという4層もの人が一緒に混在するというイベントでした。それによってどんなライフスタイルでも想像できるような時間軸の構成の演出と魅せ方というのにフォーカスして考えたつもりです。
このイベントが終わったあとにある大手美容室のオーナ様にお手紙を書いていただきました。そこには、『初めてBtoBtoCという形で、一般からメディアの方、そして美容師さんと向き合った本当に素晴らしいイベントでした。』とありました。そう言っていただけたことがすごく嬉しかったです。
また、今まで美容師さんというのは美容室で髪を切ったりしたときに、一緒にシャンプーなどをセット買いするというのが普通でしたが、今回は、イベント後に「この商品はありますか?」というお問い合わせが発生して、髪の毛を切っていなくても、シャンプーとリンスを買いに来たお客さんが多数生まれたというのを美容師さんから直接聞くことができたのは本当に嬉しかったです。
商品だけを買いに美容室に来ることが今後起こってくれば、髪の毛に合った商品を美容師さんが紹介するというカウンセリングが存在してくるようになり、そういったお客さんが増えてくれば良いなと思っています。そしてそれこそが本当にミルボンさんのやりたいことなので、ミルボンさんからそれですごく感謝されたことが本当に仕事としてやりがいがありました。
これからはより、美容師さんたちを大事にして、それをいかに継続していけるかというのが必要になっていると思います。特にミルボンは美容室での取扱いがNo.1になったので、業界最大手だからこその貢献を世間にしっかりと伝えていきたい。それは国内でもそうだし、国外でも同じように、例えば美容師さんたちが、“生涯美容師”という風に生涯ずっと美容師を続けられるような環境づくりをしたいというのをミルボンさんが発表していて…。私は本当にその通りだと思っていて、若いうちだからできる職業とかではなく、ライフスタイルを理解するコミュニティの場というのを啓蒙したいなと思っています。今後それができたら、すごく幸せ。
企画者齋山自身が司会も行った。
齋山陽子
2009年に(株)PA Communicationに入社し現在は執行役員。 ワールドに出向しaquagirl ON THE STREETの商品企画など単なるPRにとどまらない幅広いプロデュース業務を経験し、現在は飲食「カフェカンパニー」のコンサルティングも手掛ける。 現在では「ミルボン」の総合プロデュース以外にホテル、アパレル等、PR、VMD、商品企画等の幅広いコンサルティング業務を展開。LAとTokyoのデュアルライフによりグローバルなプロジェクトも多数。
会社よりのコメント
ファッションを中心に行ってきた弊社が新しい分野として調整したビューティーの分野。その先駆けとして、美容業界のトップヘアケアブランド「ミルボン」の新商品発売という重要な施策にチャレンジ。日本発の同ブランドがグローバルに展開するということで海外のメディアも招いた発表会も実施するなど責任重大なプロジェクトを見事成功に導き、弊社のビューティー分野が確立するきっかけとなった。