

CLIENT:プチバトー
CLIENT:AOKI
ビジネススーツ・オフィスカジュアルからフォーマルウェアまで豊富なラインナップを誇るAOKIの都心部旗艦店、渋谷宮益坂店の新装オープンにあたり、PAC執行役員/ifca showroom代表の斉山陽子が、AOKIレディースエリア改装のクリエイティブ・ディレクターを務めました。
目次
20-40代の働く女性をはじめとする新規客層の拡大を図り、店内外のレディース商品ディスプレイ訴求を強化。店外通路ウィンドウにはレディースのコンセプトである「女性のための女性のスタイルがある日常」が演出されています。
ビジネスのイメージが持つメリハリ感と強さにレトロクラシカルが持つフェミニンな華やかさ・柔らかさを掛け合わせたハンサムキュートな外観。
内装は、通勤・オフィス・出張など働く女性が日々過ごす仕事のライフシーンに沿ってエリアが構成され、着用シーンがイメージできる作り込みに。1960年代の海外ドラマのセットをイメージしたビジュアルとともに、「ビジネスファッションを楽しむ」売場に。什器や試着室、ショッパーまで新しいコンセプトに刷新されています。
ビジネスの各シーンが連想される演出の中にもポップさ、エレガントさプラスし、「ビジネスファッションを楽しむ」売場空間を演出。
試着室にもこだわりが。包み込む様なピンクで試着室の空間に温かみを出しています。
ショッパーもこだわりのピンク。女性のための女性のスタイルがある日常、をトータルでクリエイティブディレクション。
抽象的な語感から、なかなか実像が見えづらいクリエイティブ・ディレクターのポジション。実際はどういうことをやっているのですか?
—— 時代の潮流に合わせてブランドの戦略を組み立てています。売り方や魅せ方の戦略は、マーケティングやブランディングを押さえていないとできません。また、クライアントやブランドの状態をみてポテンシャル、伸び代を見極めてアドバイスしていくので、大きなビジネスの構造を作り上げているとも言うことができます。
—— AOKIレディースの場合は、働く女性がもう一歩前に進む、その一歩の後押しするような、応援的なメッセージを盛り込みつつ「女性のための女性のスタイルがある日常」をコンセプトに打ち出しました。ワーキングスタイルを作る=女性の活躍を応援するが根幹にあります。また、AOKIは機能性に絶対的な自信があるので、そこも核としてぶれないようにしています。
AOKI渋谷宮益坂店レディースエリアコンセプトやテーマは?
—— 60年代を再評価しているところがポイントです。 働く女性がもう一歩前に進む後押しの前段として、女性の活躍が加速した60年代からIdentityのヒントを得ました。ビジネスでの装いは女性が働く自分自身を表現するツール、自信を与えるものにしたい、というブランドの想いも詰まっています。
—— クリエイティブ・ディレクションではブランドのfutureも描かなければなりません。売場をワクワクする場にして、ブランドイメージをより楽しい方向へ盛っていくようにしています。
どういう波及効果がありましたか?
—— クリエイティブ・ディレクションでは、売り方まで見据えることが重要だと感じています。今回は、その週の売上が1.6倍に増加し、レディースの売上にともないメンズの売上も増加しました。
—— 売り場の方々のモチベーションアップにもつながっています。
新卒で渋谷店に配属されたスタッフさんが、
「私、AOKIに就職して良かった。こんなかわいいお店で働けて夢みたい。毎日とっても楽しいです。ありがとうございます」
といってくれた事。これは一番嬉しかったですね。
また、キャリアがあるスタッフさんからも、
「こんなに忙しい渋谷店は私が知る中でははじめて。新しい什器や配置に早く慣れて、接客レベルを上げたい。リピーターのお客さまも店舗にくるモチベーションが上がっていて嬉しそうに買物していて私も嬉しい。」
「ライフスタイル軸でセット売りやコーディネートを販売する接客方法は具体的ですぐ実践できるので自信に繋がった。」
「ウインドウやプロップの写真を撮りたいといったお客様がいることがなんだか誇らしかった。」
というお声をいただきました。
店舗を訪れたスタイリストさんや、メディアの方にも好評で、
「AOKIが女性やキャリア層にはじめて本気で向き合いはじめた気合いを感じる。」
「働く女性のライフスタイル」
「まさに女性のための女性のスタイルを感じる」
などファッション関係者からも高い評価がありました。
—— 現在、次店舗のクリエイティブ・ディレクションの仕事も決定し企画が動いています。クリエイティブ・ディレクターは、クライアント、ブランドと向き合って未来を作る仕事ですね。
プロジェクトはどうやって進められましたか?
—— 各分野のプロフェッショナルがチームを組み、それぞれの役割からアイデアを出し、実施までのプロセスを遂行していきました。
今回ご一緒したチームメンバーの方々:
プロップスタイリスト 遠藤歩 氏
スタイリスト 林素子 氏
施工デザイン 津木茜(CMYK) 氏
プロジェクトマネージャー 成宮慎(SWELL) 氏
全体統括 吉原正悟(CIA)氏
PACでは、店舗リニューアルと並行して商品企画コンサルティングにも携わっています。商品企画コンサルティングでは、購買層のライフスタイルやシーンにあわせた着心地などを想定し、AOKIレディースの売上拡大をサポートするためのコンサルテーションを行なっています。
商品企画/ Creative Director 齊山陽子
(PA Communication 執行役員 ifca showroom代表)
LAとTokyoを行き来するCreative Director。先日のWWDにてINDITEX(アパレル世界ランク現在No.1)本国の戦略パートナーとしての実績が取材されるなどメディア、ブランドからの評価も高い。
ユーザー目線でのコーディネート、ライフスタイルやコミュニケーション視点の商品企画や空間演出には定評があり、自身が商品コンサルティングに就任したブランドで前年比168%を叩きだしたり、企画した商品が三週間で700着売れた事もある。カンヌ広告賞(現カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル)シルバー受賞歴あり。
過去、商品コンサルティングとして(株)WORLDのストリートブランド、オンリー、アマゾンファッション、オーガニックヘアプロダクツ、カフェカンパニーのワイヤードカフェ、2017年よりAOKI Ladiesの商品コンサルティングの活動もスタート。
※齊山陽子インタビュー記事はこちらからご覧いただけます。